イメージ 1食物連鎖と生体濃縮で最後にわが身に降りかかる。
 
水産庁、検査強化 「魚の体内で濃縮せぬ」の見解再検討
 
朝日 2011年4月5日12時23分
    
 福島第一原発から約70キロ南にある茨城県北茨城市沖で採ったイカナゴ(コウナゴ)から高濃度の放射性ヨウ素が検出されたことを受け、水産庁は5日、水産物の放射性物質検査を強化することを決めた。
 
茨城県のほか、千葉、神奈川両県と東京都で、品目を広げて5日から1日おきに調べる。
 
 これまで茨城県内では各漁協が任意で検査してきた。
 
水産庁は5日から茨城県と連携し、水揚げの多い那珂湊漁港を中心に、イカナゴのほかイワシやヒラメなど多くの魚種で検査する。他都県分についても水産総合研究センター(横浜市)で分析を補助する。
 
 放射性物質の影響をより受けやすいとされるワカメなどの海藻は、漁期ではないことから当面見送り、魚介類を優先して調べる。
 
同庁は
 
「茨城県沖では現在、漁業は実施されていない」
 
としている。
 
 水産庁は
 
「放射性物質は魚介類の体内では濃縮されない
 
としてきた。
 
しかし高濃度で検出されたことから、専門家に再度分析を依頼することも決めた。
 
魚介類についてヨウ素の基準がないため、鹿野道彦農林水産相は5日、食品安全委員会に設定を求める考えを示した。
 
 生物濃縮(Wikipedia)
 
ある種の化学物質が生態系での食物連鎖を経て生物体内に濃縮されてゆく現象をいう。生態濃縮、生体濃縮ともいう。
 
疎水性が高く、代謝を受けにくい化学物質は、尿などとして体外に排出される割合が低いために、生物体内の脂質中などに蓄積されていく傾向がある。
 
特定の化学物質を含んだ生物を多量に摂取する捕食者では、さらに体内での物質濃度が上昇する。
 
食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。
 
魚介類中のドコサヘキサエン酸、フグやイモリなどの毒、貝毒、季節的なカキの毒化、放射能汚染下で水揚げされたコウナゴの放射能汚染なども、生息域の細菌や餌となる生物によって合成された化学物質が生物濃縮で取り入れられたものである。
 
生物濃縮に類似して生物蓄積の用語があり、英語の Bioaccumulation の訳語とすることがある。
 
これは生物蓄積が、有害物質が水などの環境媒体から生物体内へ濃縮される過程(生物濃縮・Bioconcentration )と食物連鎖により増強される過程( Biomagnification )とを合わせたものであるためである。
 
イメージ 2環境問題
生物濃縮による環境被害は、レイチェル・カーソンが著書『沈黙の春』でDDTなどによる生物濃縮問題を論じたことで、よく知られるようになった。
 
すなわち、上記のような生物濃縮されやすい物質の性質を、たとえば一部の農薬や重金属も持っているということである。
 
農薬の場合、水に溶けにくいことや分解しにくいことは、実際に農地に散布した場合にその効果が長く保てることから、優れた性質と考えられていた面がある。
 
その最初の例であるDDTもこの性質を持っていたため、高次消費者に高濃度で蓄積する結果を招いた。
 
つまり、人為的な廃棄物の中では微量であったものが、重要な影響を与えうる濃度にまで上昇する、というものである。
 
カーソンの指摘の後、様々な論争があったが、少なくとも農薬に関しては残留しにくいものをできるだけ少量を効果的に用いる、という方向に変換された。