サケマス漁に支援金 排他的経済水域 漁業禁止で補填へ
2015年12月25日 中日新聞
政府補正予算案
来年一月からロシアの排他的経済水域でサケ・マス流し網漁が禁止されることを受け、県内漁業者の損失が補填される見通しとなった。
二十四日に閣議決定された二〇一六年度政府予算案と合わせて発表された本年度補正予算案に、関連予算が盛り込まれた。
富山県内の流し網漁船は四隻あり、農林水産省は補填額を一隻あたり約五千百万円と試算する。
農水省が、緊急対策費として基金から十三億円を盛り込んだ。
既に準備していた漁具の費用や乗組員の給与・退職金、保険料、漁船の修繕費などが対象となる。
流し網漁の禁止により、漁船を廃船する場合は漁船の残存価格を交付する支援策も決定。交付額の三分の一は県が負担するため、県は今後、漁業者の意向を確認した上で予算化する。
ロシアは、資源を保護するために流し網漁を全面禁止する法律を成立させた。県水産漁港課の担当者は
「県内漁業者は、北海道に次いで禁止の影響が大きい。速やかな対応で漁業者は安心できるのではないか」
と話した。
このほか、はえ縄などの代替漁法の可能性調査や、サンマ漁に転換するための船建造費の支援に、本年度補正予算案に百億円を計上。
県によると、県内の流し網漁業者は既にサンマ漁も行っているため、サンマ漁に転換するための支援は対象外という。
来年度予算案では、漁業者の経営安定のために二十五億円を計上。燃油価格が高騰した際に漁業者に補填金を交付する。
(豊田直也、木許はるみ)