都市封鎖に危機感 首相、緊急宣言要件に言及
2020年3月27日 中日新聞夕刊
安倍晋三首相は二十七日午前の参院予算委員会で、東京都内での新型コロナウイルスの感染拡大について
「仮にロックダウン(都市封鎖)のような事態を招けば、わが国の経済にもさらに甚大な影響を及ぼす」
と危機感を示した。改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言は
「全国的かつ急速なまん延により国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす恐れ」
がある場合を発令の要件の一つとしており、首相の答弁はこの要件を念頭に置いているとみられる。
西村康稔経済再生担当相は、首相が言及した緊急事態宣言の発令要件について
「まだその状況ではない」
との見方を示した。一方、もう一つの要件となっている
「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」
は、既に該当するとの考えを示した。
政府は緊急事態宣言の発令を視野に、二十六日に特措法に基づき対策本部を設置。
二つの要件が整ったと判断すれば、対策本部長を務める首相が国民の自由や権利の制限につながる緊急事態宣言を発令できる。