東海アマさん久しぶりに面白い評論だね。一部改訂。
なぜ、自転車操業かというと、
(a) 利益を正しく計上すれば、課税されて吸い上げられるが、
(b) 銀行から借金して設備投資にカネを回せば、利益を最低にして、法人税課税を節約できるというメカニズムがあったからだ。
(a) 利益を正しく計上すれば、課税されて吸い上げられるが、
(b) 銀行から借金して設備投資にカネを回せば、利益を最低にして、法人税課税を節約できるというメカニズムがあったからだ。
だから、
企業というものは、今にも倒産しそうなほど大きな借金を背負うのが普通だった。
利益を出さないほど、課税を抑えられた
わけだ。
企業というものは、今にも倒産しそうなほど大きな借金を背負うのが普通だった。
利益を出さないほど、課税を抑えられた
わけだ。
企業活動は、拡大再生産することによってしか命を生きながらえることができないのが資本主義の本質である。
それは、際限のない拡大がなければ、生きるツテを失って崩壊してしまうネズミ講のようなものだった。
借金に押しつぶされそうになりながら、全体がギリギリの余力で回っているだけだから、
わずかなトラブルで回転が滞れば、たちまち、全体の歯車が噛み合わず、崩壊の連鎖が始まるのだ。
わずかなトラブルで回転が滞れば、たちまち、全体の歯車が噛み合わず、崩壊の連鎖が始まるのだ。
それは、個人事業主、中小零細企業から始まって、疫病のように巨大企業にも激しく影響を与える。も
ちろん、カネを貸している銀行も追い詰められる。
ちろん、カネを貸している銀行も追い詰められる。
それが今回、コロナ禍という、誰もが予想もしていなかった現象として突然現れた。
誰も予想していなかったから、対策もなかった。
偉そうに屁理屈を垂れるのが好きな経済評論家も、一度も経験したことのない「疫病禍」という現象の前に、いったい何が起きるのか、誰も理解も予想もできず、立ちすくむばかりだった。
偉そうに屁理屈を垂れるのが好きな経済評論家も、一度も経験したことのない「疫病禍」という現象の前に、いったい何が起きるのか、誰も理解も予想もできず、立ちすくむばかりだった。
信用力のある実業ならば、将来の回復を見越して銀行も金を貸して、なんとか生き延びてゆけるのだが、純一郎と平蔵コンビが、今世紀初頭に登場し、「日本を金融国家に変える」と宣言してから、
経済界にあって実業は軽んじられ、「カネ転がし」の虚業ばかりに力を注ぐ企業経営者が激増
した。
経済界にあって実業は軽んじられ、「カネ転がし」の虚業ばかりに力を注ぐ企業経営者が激増
した。
だが平蔵が推進した投機ブームのなかで、歴史的な実業から、金融投機の虚業にシフトした企業は、軒並み没落して、今は影も形も失われたものが多い。
虚業に向かった企業は、世界全体がコロナ禍に押しつぶされる姿を見て、あらゆる株価が低迷し、解決の糸口も見えず、景気は凋落の一途をたどるばかりに恐怖しているが、どこに活路を求めるべきか、正しく理解できている経営者は、皆無といえるだろう。
彼らは、企業成績が低迷してくれば、「リストラ・解雇」生産縮小で、労働者に転嫁する以外の知恵を何一つ持っていなかった。
ただ、立ちすくむ以外の知恵がなかった。それは、
「金儲け」以外の人生の価値を知らなかった
からだ。
経団連が、消費に罰金を科すことで景気を悪化させる効果しかない消費税を推進した結果、日本経済は「失われた20年」と呼ばれた超景気低迷に陥った。
しかし、このことで
低金利、マイナス金利が成立して、投機に使えるコストの安い資金が巨大化していった。
つまり、「金融投機経済」にとっては、低金利ほど都合の良い現象はないのだから、経団連が消費税を推進するのは、そういう理由である。
低金利、マイナス金利が成立して、投機に使えるコストの安い資金が巨大化していった。
つまり、「金融投機経済」にとっては、低金利ほど都合の良い現象はないのだから、経団連が消費税を推進するのは、そういう理由である。
これによって、小泉政権以来、わずか20年で、日本の巨大企業は、
450兆円を超えるような内部留保
を獲得することになった。
450兆円を超えるような内部留保
を獲得することになった。
これが何をもたらしたかと言えば、経営幹部への法外な報酬である。
20世紀には、日本人の経営者は、松下幸之助や盛田昭夫、本田宗一郎だって、せいぜい数千万円の年収しかなかった。
20世紀には、日本人の経営者は、松下幸之助や盛田昭夫、本田宗一郎だって、せいぜい数千万円の年収しかなかった。
ところが、今、内部留保の多い、ソニーやソフトバンクあたりの経営者が持ってゆく報酬は、数十億円という単位だ。
これでは、経営者たちは、
報酬欲しさに景気低迷=低金利というメカニズム
を求めることになってしまう。
報酬欲しさに景気低迷=低金利というメカニズム
を求めることになってしまう。
一方、その対極で、平気の平蔵は、労働者の社会保障を奪い去り、日本人の6割を派遣労働者=ルンペンプロレタリアートに貶めてみせた。
労働者の平均年収は、柳井正や孫正義など超特権組を除いた平均では
700万円→400万円に凋落
しているといわれる。(中央値の場合)
700万円→400万円に凋落
しているといわれる。(中央値の場合)
派遣労働者の場合、彼らは組織されていないから、当然、政治的な力も、組織力も失って、いわば「安上がりな飼育」対象でしかない。都合が悪くなれば、たちまち追放してしまえる、不安定な身分しか許されていない。
こうして、組織された労働者の力を削いで、経営側が儲けやすくするというのが平蔵の狙いだっただろう。
これで労働側、野党の力も決定的削がれていった。
これで労働側、野党の力も決定的削がれていった。
人は、幼い頃のからの人間関係のなかで精神的安定を得るためには、周囲の平等、対等という関係を必要としている。
「みんな対等の友達」だから、人生が安定して楽しいのだ。
「みんな対等の友達」だから、人生が安定して楽しいのだ。
ところが、純一郎・平蔵が日本社会に持ち込んだのは、対等の関係の真正面からの破壊だった。
まるで朝鮮社会のような格差社会、差別
を持ち込んだのだ。
まるで朝鮮社会のような格差社会、差別
を持ち込んだのだ。
これにより、周囲の人々が味方だったのに、すべて敵に見えるようになった。
いつでも自分が小馬鹿にされているような気分にされた。
社会における格差や差別が何をもたらすかというと、心の安定を失わせ、ネガティブな妬みや優越感、劣等感、嘲笑、見下し、羨望という社会を破壊する感情を生成するのである。
この結果、いわゆる精神異常者が猛烈に増え始めた。
相模原ヤマユリ園事件の植松や、京都アニメ放火事件の青葉のように、1938年に起きた津山事件の死者を超えるような凄まじい犯罪が頻発するようになった。
そして、心の平衡を失って、異常精神となって犯した犯罪が、毎日のように報道されるようになった。
コロナ禍が何をもたらしているかといえば、まずは経済的窮迫である。
これで経営者は焦って、未来に絶望し、正常な判断力を失ってゆく。我々の時代が不幸であるのは、安倍ちゃんと自民党という、知的レベルの極めて低い、名誉欲だけの下劣政権が日本社会を支配しており、あらゆる対策が、安倍ちゃんの周囲を肥え太らせるものでしかないことだ。
コロナ禍を収束させる方法論は、児玉龍彦や玉川徹が2月段階から正しく提唱してきたが、政府は一切耳を傾けず、PCR検査を抑制するのが正しい方策であるかのような、とんでもない誤認錯誤のなかから、未だに抜け出していない。
経営的に窮迫した中小零細企業や店舗に対しても、ろくな支援もしない。
絶望的な無策のなかで、国民は、自分の力で這い出してゆかねばならない状態だ。
誰もが追い詰められている。何をどうしたらいいのか分からない状態だ。