過去最大5.4兆円 小型人工衛星網で研究費―防衛省概算要求
2020年09月30日16時20分 時事
防衛省は30日、2021年度予算概算要求を発表した。総額は過去最大の5兆4898億円で、20年度当初予算比3.3%増。
宇宙空間をはじめ新たな領域に対処する必要があるなどとして、8年続けての要求増となった。
従来の装備では探知・追尾できない最新鋭ミサイルに対応する「小型人工衛星網(コンステレーション)」の研究に2億円を計上した。
小型人工衛星網は、軌道を周回する複数の衛星が代わる代わる監視する方式で、切れ目のない警戒が可能となる。小型衛星を用いるためコストが抑えられ、1機が機能を失っても他の衛星が補完できる利点がある。先行する米国と協力しながら導入を目指す。
宇宙空間を監視する衛星整備では関連費用計343億円を盛った。
5月に発足した「宇宙作戦隊」に加え、新たに宇宙領域任務で指揮を執る部隊を設けた上で、両部隊の上部組織「宇宙作戦群」(仮称)を置く。全体で70人規模となる見通し。